波木流占い講座第七回:成卦法・新井白蛾の秘伝

今回は波木流占い講座 第七回目です。今回は、算木を使った易の解釈法である「成卦法」について解説します。

また、特別に、新井白蛾の秘伝について先生から教わりましたので、それについても解釈します。

同じ内容を動画でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。


00:47 動爻について(予備知識)
01:46 外卦と内卦について(予備知識)
02:26 成卦法について
04:42 成卦法のとらえ方
07:36 之卦 動爻を裏返す形:今後の展開
10:45 綜卦 180度回転させる形:相手からみた自分
15:00 裏卦 卦全体を裏返す:裏に潜む気持ち・本心
18:02 互卦 2・3・4・5爻を使って判断する:内部事情
21:49 成卦法まとめ
23:43 新井白蛾の秘伝:概要
24:30 秘伝①過去を知る:初爻を裏返す
27:23 秘伝②未来を知る:上爻を裏返す
30:12 秘伝③最終結果を知る:初爻と上爻を裏返す
33:52 成卦法まとめ

予備知識:動爻/内卦と外卦

成卦法の解説の前に、予備知識として動爻内卦・外卦の説明をしておきます。

外卦と内卦、動爻

上の画像は、火水未済の易の形です。

上三本のことを「外卦」といいます。相手や外側などをあらわします。上の例では外卦は火・離です。

下三本のことを「内卦」といいます。自分や内側をあらわします。上の例では内卦は水になります。

赤い丸がついている部分が動爻です。上の例では、動爻は二爻になります。

動爻と外卦・内卦

動爻は、一番下が初爻で、上に上がるにつれ数字が増え、一番上が上爻になります。2爻から5爻までは数字で表しますが初爻と上爻だけは、初と上であらわします。

成卦法を行う上で、動爻と内卦・外卦の考え方は重要になりますので、記憶にとどめながら以下の解説を読んでいただければと思います。

成卦法とは

易の歴史は大変古いものですから、現在にいたるまで、いろいろな人が易を使い、研究を重ねてきました。成卦法は、そのような過程のなかで生み出された、易の判断法です。

前回(第六回)で先生からご説明いただいたように、易経本文は短いものであったり、矛盾していることもあります。

そのため、易経だけで占おうとすると、判断に迷うこともあります。また、占いたい事柄によっては、より細かい判断が必要な時もあります。

そのような時に、成卦法を使うと様々な角度から占うことができ、鑑定に深みがでます。

易経を読むだけでなく、算木を使った成卦法のような判断もできることが、易の奥深く面白いところです。

成卦法での解釈法

それでは、成卦法での解釈法のなかから代表的なものを四つご紹介します。

動画で先生が実演してくださっていますので、そちらもご覧ください。

02:26 成卦法について
04:42 成卦法のとらえ方
07:36 之卦 動爻を裏返す形:今後の展開
10:45 綜卦 180度回転させる形:相手からみた自分
15:00 裏卦 卦全体を裏返す:裏に潜む気持ち・本心
18:02 互卦 2・3・4・5爻を使って判断する:内部事情
21:49 成卦法まとめ

今回は「習い事をした場合どうなるか?」という問いに対して、山水蒙 三爻が出た場合を例にとって、解説したいと思います。

之卦/動爻を裏返す:今後の展開

動爻を裏返して出た易の形を之卦(しか)といいます。之卦によって、今後の展開やどう変化していくかを知ることができます。

最初に出た易の形を、得卦(とくか)といいます。

上の例では、得卦である山水蒙の動爻の三爻を裏返すと、山風蟲の易の形になります。

山風蟲は「腐っていく」というような意味の易で、あまり気持ちの良い形ではありません。習い事をすれば、やがて対人関係で悩むかもしれないという結果になります。

【動画再生箇所】 07:36 之卦 動爻を裏返す形:今後の展開

綜卦/180度回転させる形:相手からみた自分

相手からみた自分の状態を占うときは、算木全体を180度回転させます。これを綜卦(そうか)といいます。

上の例では、山水蒙を180度回転させると水雷屯になります。水雷屯は生みの苦しみや伸び悩むことをあらわします。

ですから、例えば、習い事のサークルに参加した場合で占ったときには、「参加したはいいものの、周りの人たちから見ると、自分はまだまだ習得するまでに時間がかかりそうだと思われるかもしれない」という風にも読めます。

【動画再生箇所】 10:45 綜卦 180度回転させる形:相手からみた自分

裏卦/卦全体を裏返す : 裏に潜む気持ち・本心

卦全体を裏返す方法もあります。これは裏卦(りか)と呼び、裏に潜む気持ちや本心を読むときに使います。

今回の例では、山水蒙の全体を裏返すと、沢火革の形になります。沢火革はあらためるという意味があります。

習い事を始めたい理由として「生活をあらためたい、人生をあらためたい 」 という気持ちが裏に潜んでいたのかもしれないと読むことができます。

【動画再生箇所】 15:00 裏卦 卦全体を裏返す:裏に潜む気持ち・本心

互卦 2・3・4・5爻を使って判断する:内部事情

2爻から5爻の形を使って判断する方法もあります。

2爻、3爻、4爻を内卦に、3爻、4爻、5爻を外卦にもってきて、あたらしい易の形をつくります。これを互卦(ごけ)といい、内部的な事情をあらわします。

【動画再生箇所】 18:02 互卦 2・3・4・5爻を使って判断する:内部事情

今回の例では、互卦は地雷復になりました。地雷復は復元や回復を意味します。

たとえば、習い事を始めたい理由としては、過去に似たような習い事をした経験があって、また以前の習い事に戻ろうとしているのかもしれない、という風に読むことができます。

このように、成卦法を使うと、様々な角度から占うことができ、鑑定に深みが出てきます。

新井白蛾の秘伝

新井白蛾は江戸時代に活躍した易占の名人です。この新井白蛾は、易のさまざまな技法を考案しましたが、その中に、高弟にだけ教えた秘伝と呼ばれる占法があります。

今回は、その秘伝の占法を波木先生から教えていただきました。

23:43 新井白蛾の秘伝:概要
24:30 秘伝①過去を知る:初爻を裏返す
27:23 秘伝②未来を知る:上爻を裏返す
30:12 秘伝③最終結果を知る:初爻と上爻を裏返す

新井白蛾の秘伝①過去を知る:初爻を裏返す

過去を知りたい場合は、初爻を裏返します。

【動画再生箇所】 24:30 秘伝①過去を知る:初爻を裏返す

今回の例では、初爻を裏返すと山沢損になりました。

この人が過去に仲間と一緒に楽しんだときはお金も使ったかもしれないが、本人にとっては有益だった。そういう記憶が習い事をはじめるにあたって、何らかの影響を与えているのではないかと判断します。

新井白蛾の秘伝②未来を知る:上爻を裏返す

未来を知りたいときは上爻を裏返します。

【動画再生箇所】 27:23 秘伝②未来を知る:上爻を裏返す

上爻を裏返すと地水師になります。地水師は、師団の意味があります。習い事を始めると、良い先輩や先生と出会えるかもしれません。

ただし、師は戦争のときの軍隊を意味しますので、習い事の教室などで、もしかすると争いやトラブルがあったり、ライバル同士のトラブルに巻き込まれる可能性があるかもしれないと読めます。

新井白蛾の秘伝③最終結果を知る:初爻と上爻を裏返す

初爻と上爻を裏返すと、最終結果を知ることができます。

【動画再生箇所】 30:12 秘伝③最終結果を知る:初爻と上爻を裏返す

地沢臨は臨むという意味があり、また遠くに海を渡るような意味があります。

もしかすると、習い事をすることで、地元を離れて遠くに行くことになるかもしれない、 将来的に発展性がありそう、 と読むことがあります。


易には様々な解釈法がある

このように、易には、易経だけを見て占うものではなく、さまざまな読み方があります。

知りたいことや、相談の内容によって、臨機応変な読み方ができるのが易の面白いところでもあり、奥深いところです。

【動画再生箇所】 33:52 成卦法まとめ

次回からは易の64卦をひとつずつ解説

今回は、成卦法と新井白蛾の秘伝を解説しました。これで、易占いの基本的な部分はお伝えしました。

次回からは、易の64卦をひとつずつ、先生に解説していただきます。

次回もお楽しみに♪

波木流占い講座:易の基本(第一回~第七回)

波木流占い講座:第一回「易って何?」

第1回から第7回まで続けて視聴することで易の基本が学べます。

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