波木流占い講座第三回:陰陽について

易占いをするときは、算木によって、陰と陽をあらわし、この算木の陰と陽の組み合わせで八卦が決まり、八卦と八卦の組み合わせで64卦が決まります。

算木

ということは、易の64卦は、もとをたどれば、陰と陽でできている、ということになります。

万物は陰陽から成り立っているという考え方が易の根本にあります。したがって、易を理解するには、陰と陽を理解する必要があります。

今回は、波木先生から、易の基本である陰陽について解説していただきました。


00:20
 陰陽について 
02:05 一年の中での陰陽 
05:57 一日の中での陰陽 
06:41 一か月の中での陰陽 
09:41 古代人と太陰暦 
12:36 易は陰陽を使った占い 
15:13 男女も陰陽 
17:32  おやつの時間

易は陰陽で成り立っている

易では陰陽は算木であらわします。

こちらが陰で・・・

こちらが陽です。

この、とても簡単な、陰と陽の2パターンが易の基本です。

この陰陽三才(天地人)を組み合わせてできたのが八卦です。

※三才については第四回で解説します。

さらに、八卦同士を掛け合わせると、 8卦×8卦=64卦になります。

64卦に対して、初爻から上爻まで6パターンが加わり、64×6=384爻のパターンが生まれます。外卦の八卦と、内卦の八卦の組み合わせで64卦が作られます。 下の図では、列が外卦、行が内卦です。

 
乾為天沢天夬火天大有雷天大壮風天小畜水天需山天大畜地天泰
天沢履兌為沢火沢睽雷沢帰妹風沢中孚水沢節山沢損地沢臨
天火同人沢火革離為火雷火豊風火家人水火既済山火賁地火明夷
天雷无妄沢雷随火雷噬盍震為雷風雷益水雷屯山雷頤地雷復
天風姤沢風大過火風鼎雷風恒巽為風水風井山風蠱地風升
天水訟沢水困火水未済雷水解風水渙坎為水山水蒙地水師
天山遯沢山咸火山旅雷山小過風山漸水山蹇艮為山地山謙
天地否沢地萃火地晋雷地予風地観水地比山地剥坤為地

易占いで占える運命の型は384パターンですが、それらすべてが陰陽の2パターンに還元されます。

複雑に見える神羅万象の出来事は、陰陽の組み合わせによって読み解くことができる、ということになります。これが易の根本的な考え方です。

陰陽は月と太陽

なぜ陰陽によって神羅万象が読み解けると、古代の人は考えたのでしょうか?

それは、自然界が太陽の周期的な動きによって成り立っているということと関係があります。

太陽は陽・月は陰

古代中国人は、太陽を陽月を陰ととらえていました。

古代中国では月は太陰と呼ばれていました。

自然界は太陽と太陰のはたらきによってなりたっていると、古代人は感じていたようです。

陰陽のはたらき…つまり、月と太陽のはたらきは、一年の季節の中にもみられますし、一日の中にもみられます。一か月の中にも見られます。

太陽が昇れば暖かくなり、明るくなり、活動できます。太陽が沈めば月が昇ってきて、人間や動物は眠ります。

春から夏にかけて植物はぐんぐん育ち花が咲きます。秋には実がなり、やがて枯れ、冬は暗く寒く雪が降り、植物は雪の下で眠ります。

古代の人は、そのような、日常の出来事から直感的に宇宙の働きを感じ取っていたのかもしれません。

一年の季節、一日、一か月の中での陰陽の働きをもう少し詳しく解説します。

一年の中の陰陽:夏至と冬至

陰と陽の強さによって、古代の人は、一年の変化をとらえていました。

太陽の影響が強い時期は陽が強く、太陽の影響が弱い時期は陰が強いです。

一年の中には、

夏至 (6/22-6/23)
冬至
(12/22-12/23)
春分
(3/21頃)
秋分
(9/23頃)

があります。

冬至は一年の中で一番陽が弱い日
夏至が一年の中で一番陽が強い日

です。反対方向からとらえると、

冬至は一年の中で一番陰が強い日
夏至が一年の中で一番陰が弱い日

ということにもなります。 そして、 冬至と春分の間にあるのが、

春分秋分

です。

一年の中の陰陽の強さは、気温の高低ではなく、太陽の光の強さによって変わります。

気温の高低は毎年変わりますが、日の光は、毎年同じ日に同じように強くなります。そういう意味では、古代人は合理的な考え方をしていたとも考えられます。

植物の場合は、春に撒いた種から目が出て夏に向けて育ちます。秋には実がなり、枯れて、冬は土が育ちます。植物の一年はこのような感じですが、人間もまた、同じようなサイクルで生きているのではないでしょうか。

季節は、循環していきますが、その根本的なところには、陰と陽があるということです。

02:05 一年の中での陰陽

一日の中の陰陽:昼と夜

一日の中にも、陽の強い時間帯と、陰の強い時間帯があります。

昼12時は一番陽が強い時間
夜24時は一番陰が強い時間

です。

わたしたちは、朝目がさめて動き出します。太陽は12:00ころに向けて日差しを強めていきます。太陽とともに、私たちは活動します。昼を過ぎたら、太陽の光は徐々に弱くなり、午後三時にはまったりとお茶の時間。夕方には一日の結果が出ます。夜になれば空には月が見え、体と心を休めて、明日に備えます。

一日の中にも陰陽のはたらきがみられます。

05:57 一日の中での陰陽 

一か月の中の陰陽

一か月の中にも陽の強い日と陰の強い日があります。

06:41 一か月の中での陰陽 

太陰暦では、月の満ち欠けによって一か月の日付を決めます。

太陰暦の毎月1日新月
太陰暦
の毎月15日満月

です。

太陰暦の1日は、毎月、月が見えません。新月の日です。

太陰暦の15日目は満月です。このことから満月を「十五夜お月様」と呼ぶこともあります。

一か月の中で陽が強い日は新月の日(太陰暦の1日)
一か月の中で陰が強い日は満月の日(太陰暦の15日)

です。

06:41 一か月の中での陰陽 

古代人と太陰暦

現代の私たちは太陽暦を使っていますが、古代中国では太陰暦が使われていました。

ちなみに太陰暦を使うと毎年日付が少しずれるため、修正が必要になります。そのため、現代では利便性の高い太陽暦が使われています。

しかし現代でも、中国や中東では、太陰暦を使っている地域があるようです。

また、公的には太陽暦を使っても、伝統行事や私的なことについては太陰暦を使う習わしが残っている国もあるようです。

私たちは、無意識に本能的に、自然界や事象の流れの中の陰陽の働きを感じ取っているのかもしれません。

私たちも動物や植物と同じように、地球のメンバーです。ですから太陽と月の働き、つまり、陰と陽のはたらきを感じて生きるほうが自然なのかもしれません。

09:41 古代人と太陰暦 

陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる/万物は流転する

「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」というのが、陰陽の働きの基本です。

陰が強まり、最大まで陰が強くなれば、陰が弱まりはじめ、陽が強くなり始めます。そして、陽が極まれば、今度は陽は弱くなりはじめ、陰が強くなってきます。

陽の極まった状態が陰のはじまりであり、陰の極まった状態が陽の始まりです。

栄華を極めた時が凋落のはじまりであったり、絶望のどん底が希望の始まりだったりします。

夏が来れば、秋になり、やがて冬になります。楽しい夏休みが永遠に続くわけではなく、始業式がやってきます。厳しい冬の寒さもいつかおわり、やがて春が来ます。

すべては変化し続けます。

つまりこのようなことが、陰陽のはたらきの繰り返しで万物は流転している、ということにほかなりません

自然界が陰陽の働きによって循環しているのとおなじように、私たちの暮らしや運命も、陰陽の変化で成り立っているという考え方が易の根本にあるのです。

陰は女性、陽は男性

動物にはオスとメスがおり、人間には男性と女性がいます。このことも、陰陽と深く関係しています。

人間社会は男と女がいることで動いています。

易では陰が女性陽が男性と読みます。

なぜ女性が陰で男性が陽なのか、については諸説ありますが、現代では女性も外に出て働いたりすることから、男女の社会的役割に昔ほど違いはなくなってきました。そのため、現代では男女の体のつくりによって陰と陽に分かれていると波木先生は考えているようです。

このように、 自然界も社会も陰と陽で成り立っているというのが易の考え方です。

したがって、世界のもとになっている陰と陽を使うことで、神羅万象を占える・・・ということになります。

15:13 男女も陰陽 

次回は八卦についての解説

今回は、易の基本となる、陰陽について動画と記事にまとめました。次回は八卦についての解説です。

お楽しみに♪

波木流占い講座:易の基本(第一回~第七回)

波木流占い講座:第一回「易って何?」

第1回から第7回まで続けて視聴することで易の基本が学べます。

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