第二回:易のたてかた(易の種類と道具) 波木流占い講座より

易の世界は奥深く、学ぶことがたくさんあります。

でも、易に興味を持ったなら、難しく考えず、とりあえず易をたててみましょう。本格的に学ぶのは、それからでも遅くはありません。

今回は、易の立て方道具について、先生から解説していただきました。

00:00 ご挨拶 
01:00 易の立て方の種類:本筮法・中筮法・略筮法
05:34 筮竹を使った略筮法での易の立て方
19:55 サイコロを使った略筮法での易の立て方
22:30 コインを使った中筮法での易の立て方
29:18 コインを使った中筮法での実占/占的:先生の恋愛運
33:52 易の道具の紹介
34:07 易の道具:筮竹
35:59 易の道具:算木
37:31 易の道具:サイコロ
37:42 易の道具:銅貨・コイン
37:55 易の道具:易占タロット
41:39 おやつの時間:話題/UFOについて

  1. 易の占い方は三種類
        1. 本筮法
        2. 中筮法
        3. 略筮法
  2. 本筮法
  3. 中筮法
    1. 中筮法(コイン・銅貨)で占う前に…
      1. 用意するもの
        1. 銅貨を用意する
        2. 算木を用意する
    2. 占い方(コインを使った中筮法:擲銭法)
        1. 1.三枚のコインを6回投げます。
        2. 2. 初爻から上爻までの陰陽を出す
        3. 3.易を解釈する
    3. 陰陽/老陰・老陽について
        1. 陰陽の決め方
        2. 老陰と老陽
    4. コインを使った中筮法の実占の例
  4. 略筮法
    1. 略筮法(筮竹)で占う前に…
      1. はじめに解説:内卦と外卦と動爻
      2. 用意するもの
        1. 筮竹(ぜいちく)
        2. 筮筒(ぜいとう)
        3. 算木(さんぎ)
    2. 占い方(筮竹を使った略筮法)
        1. 1.50本の筮竹の中から一本取りだし筮筒に入れます
        2. 2.筮竹を扇形に広げます
        3. 3.占う事柄を第三の目から筮竹に対して伝えます
        4. 4.一瞬息を止め筮竹を二つに割ります
        5. 5.右手に残った筮竹を筮筒に入れる 。
        6. 6.筮筒に入れた筮竹から一本取り出し、左手の小指と薬指の間にはさみます
        7. 7.残った筮竹の本数を数える 。
        8. 8.八卦の形を算木に記録します。
        9. 9.続いて外卦を占います
        10. 10.動爻を出します
        11. これで易の形が完成しました。
    3. 略筮法(サイコロ)で占う前に…
      1. 用意するもの
        1. サイコロ
        2. 算木
    4. 占い方(サイコロを使った略筮法)
        1. 1.八面体サイコロのどちらが内卦でどちらが外卦か決めます。
        2. 2.サイコロを転がします。
        3. 3.算木に記録します。
        4. 4.易の形から運勢を占います。
  5. 易の占い方にはいろいろあります
  6. 波木流占い講座:易の基本(第一回~第七回)

易の占い方は三種類

易をたてる前に、易の占い方の種類を説明しておきます。

易の占い方には、本筮法、中筮法、略筮法の三種類があります。

本筮法

本筮法は18回易をたてます。回数が多いので手間も時間もかかるため、最後まで占的(せんてき)をイメージし続けることが難しい場合があります。そのため、現代では本筮法を採用している占い師は少ないようです。

中筮法

中筮法は6回易をたてます。 本筮法よりは時間も手間もかかりません。そのため、江戸時代から明治時代にかけて、盛んだったようです。

略筮法

略筮法は3回易をたてます。 本筮法が18回、 中筮法は6回ですから、略筮法はずいぶん簡単で、楽に占える占法だといえます。現代では、この略筮法を採用している占い師が多いようです。

01:00 易の立て方の種類:本筮法・中筮法・略筮法

それではここからは、 本筮法、中筮法、略筮法のそれぞれの易の立て方について解説します。

本筮法

先ほども述べたように、本筮法は古くから占われている占い方で、18回占って易の結果を出します。手間も時間もかかること、長時間にわたって占的をイメージし続けることが難しい・・・などの理由から、現在では本筮法で占う人は少ないようです。

本筮法の具体的な占い方については、複雑で説明が難しいため、このページおよび動画内では割愛させていただきます。

中筮法

中筮法は6回の占いで、結果を出します。 中筮法には、筮竹を使った占い方と、コインを使った占い方があります。

このページ、および動画では、コイン(銅貨)を使った占い方をご紹介します。

中筮法(コイン・銅貨)で占う前に…

中筮法(コイン・銅貨)で占う前に必要なものなどを説明します。

用意するもの

銅貨を用意する

中筮法でコインを使って占う場合は、まずは以下のような銅貨を3枚用意してください。

銅貨

裏表のあるコインなら、どのようなコインでも占えますが(10円玉でも可)昔ながらのやり方で占いたい方は、中国の銅貨が雰囲気があっておすすめです。

中国の銅貨の形には意味があります。丸は天空をあらわし、四角は大地や地球をあらわします。

占い用のコインはAmazonなどでも入手可能です。

算木を用意する

出たコインの陰陽を記録するのに、算木があると便利です。

算木がない場合は、紙とペンを用意してください。

でも、動爻の変化を観る時には、算木があったほうがやっぱり便利です。

? 必要な道具がそろったら、占いをはじめましょう?

占い方(コインを使った中筮法:擲銭法)

それでは占ってみましょう。

1.三枚のコインを6回投げます。

1投目:初爻
2投目:二爻
3投目:三爻
4投目:四爻
5投目:五爻
6投目:上爻

の順で、初爻から順にコインを投げていきます。一度に三枚のコインを同時に投げます。

コインのです。

チャリン! こんな感じで6回投げるよ
2. 初爻から上爻までの陰陽を出す

三枚のコインを投げると、三枚のコインはそれぞれ、裏か表かのいずれかになります。三枚のコインの陰陽のパターンは以下の四つになります。

裏表裏 ⇒ 陽
表裏表 ⇒ 陰

表表表 ⇒ 老陽

裏裏裏 ⇒ 老陰

四つのパターンそれぞれについて、初爻から上爻まで順に、下のルールに従って、算木を並べてください。

★裏表裏=陽の場合 算木を陽の形にしてください。 算木がない場合は紙に
「 初爻: ---」とメモしてください。

★表裏表=陰の場合 「表裏表」なら「陰」ですから、 初爻の算木を陰の形にします’。下の画像が陰の形です。 算木がない場合は紙に
「 初爻: - -」とメモしてください。

★表表表=老陽の場合 「表表表」なら「老陽」です。この場合は、 初爻の算木を陽の形にして、左右どちらかに飛び出すようにずらしておいてください。 (ずらすことで動爻であるということを示します) 算木がない場合は紙に
「 初爻: ---●」とメモしてください。

★裏裏裏=老陰の場合 「裏裏裏」なら「老陰」です。老陰の時は初爻の算木を陰の形にして、左右どちらかにして少しずらしておきます。 算木がない場合は紙に
「 初爻: - -●」とメモしてください。

算木がない場合は、例えば以下のようにして、紙に書いてください。

算木のない時の記入例

老陽と老陰については後程詳しく説明します。

このようにして、初爻から上爻まで、3枚のコインを6回投げて6つの爻の陰陽を決めます。

3.易を解釈する

このように初爻から上爻まで占ったら、易の形が決まります。老陽と老陰が出た場合は、その爻が動爻になります。

易の形(大成卦)と動爻の位置、動爻が変化したのちの卦を考慮し、今の運勢を占います。

22:30 コインを使った中筮法での易の立て方

陰陽/老陰・老陽について

中筮法で占うときには、老陽と老陰を知っておく必要があります。混乱しがちな、陰陽の決め方老陽・老陰について、少しだけ詳しく説明したいと思います。

陰陽の決め方

陰陽を決める時は、三枚のコインのうち、一枚だけ出たコインの陰陽を採用します。例えば、陽(表)が1枚、陰(裏)が2枚出た場合は、「陽」になります。

陽陰陽 → 陰
陰陽陰 → 陽

この場合、陰陽のかたちは、陰から陽に変化することはありません。

老陰と老陽

三枚とも陽が出た場合は、三枚とも陰が出た場合はになります。この場合は「老陽」「老陰」と呼び、普通の陰陽とは区別します。

陰陰陰 → 陰(老陰)
陽陽陽 → 陽(老陽)

「老陽」「老陰」 は、すべて(三枚とも)が陽または陰ということですから、 陽の極まった形(老陽) 、陰の極まった形(老陰)であると考えます。

陰極まって陽となる陽極まって陰となるのが宇宙の真理である・・・ということから、 老陽老陰 は、反対側の極に変化する形であるとされ、動爻となります。

老陽でありますが、に変化しうるということで、動爻となります。

老陰でありますが、に変化しうるということで、動爻となります。

老陰は陰極まって陽となるため、陰爻から陽爻に変化しうる形。動爻となる。
老陽は陽極まって陰となるため、陽爻から陰爻に変化しうる形。動爻となる。

コインを使った中筮法の実占の例

下の動画は、波木星龍先生によるコインによる占いの実占を記録したものです。文章と図だけではイメージがつかみにくいという方は、動画もご覧ください。

29:18 コインを使った中筮法での実占/占的:先生の恋愛運

この動画の場合は、風雷益が出て、動爻4爻上爻となりました。

この場合は風雷益が出て、動爻4爻上爻ですから、動爻が変化して沢雷随の形になります。

したがって、風雷益の運から沢雷随の運へ変化していく運勢と判断しました。

動爻が複数出る可能性のある中筮法の場合は、大成卦の意味とそれぞれの動爻の意味、また、変化後の大成卦の意味を合わせて読む必要があるため、読み方がやや複雑になります。


私(藤野真帆)もyoutubeチャンネルでコインを使った中筮法で占ってみました。占い方の参考にご覧ください。

略筮法

略筮法は、内卦・外卦・動爻をそれぞれ一回ずつ占います。合計3回占うことになります。

本筮法が18回、中筮法が6回占う必要があるのに比べて、略筮法は3回で占えるため、楽で手軽であることから、現代では略筮法で占うことが多いようです。

「周易」といえば略筮法のことだと思っている人も多いかもしれません。

略筮法で占う場合は、サイコロで占う方法筮竹で占う方法があります。

それぞれについて、解説したいと思います。

略筮法(筮竹)で占う前に…

これから筮竹を使った略筮法の占い方を説明します。

易の立て方を説明する前に、内卦、外卦、動爻の説明と、必要な道具をご紹介します。それから実際の易の立て方を解説しますので、初めての方は、順を追ってご覧ください。

はじめに解説:内卦と外卦と動爻

易には内卦と外卦があります。算木の上三本が外卦で、下三本が内卦です。そして、動爻というものもあります。図ので示した部分が動爻です。

占うときは、先に内卦をだしてから、次に外卦を出し、最後に動爻を出します。

【占う順番】
①内卦を出す
②外卦を出す
③動爻を出す

用意するもの

筮竹で占う前に、道具をそろえる必要があります。必要なものは、筮竹、筮筒、算木です。

筮竹(ぜいちく)

サイコロやコインでも易は占えますが、本格的に易をやりたい場合は、筮竹があるとよいと思います。筮竹で占いたい場合はもちろん、筮竹がないとはじまりません。

筮竹を買うときは、長さに注意です。携帯したいなら短いもの、自宅で占う場合は趣のある長いタイプを選ぶなど、用途によって選択したほうが良いと思います

筮筒(ぜいとう)

筮筒は筮竹を収めるのに使う筒です。筮筒の代わりに、鉛筆立てでも占えないことはないですが、格好がつかないので、やっぱり筮筒はあったほうが良いと思います。

算木(さんぎ)

出た易の形を記録するのに必要なのが算木です。

算木がなくても、紙に記録すれば占うことはできますが、本格的に易をやるなら、持っていたほうが良いと思います。

材質はさまざまで、色も何種類かありますし、大きさもいろいろあります。

? 必要な道具がそろったら、占いをはじめましょう?

占い方(筮竹を使った略筮法)

ここからは、筮竹を使った略筮法の占い方の解説です。

1.50本の筮竹の中から一本取りだし筮筒に入れます
太極を一本取りだし筮筒に入れます。

50本の筮竹の中から一本ぬきだし…

筮筒に入れます。

この、ぬきだした一本のことを「太極」といいます。これは「易の神様」のようなものだと思っていれば良いと思います。

2.筮竹を扇形に広げます

残り49本の筮竹を扇形に広げます。正確に扇形に広げるのは物理的に無理なので、だいたい扇形に広がっている…とイメージすればOKです。

ちなみに、人間が空を見上げた時に見える範囲が扇形であることから、 扇形は天空をあらわします。

3.占う事柄を第三の目から筮竹に対して伝えます

まず占いたいことをイメージします。(占いたいことを占的(せんてき)といいます。)

額の中央の奥のほうにある第三の目に意識を集中します。 そして、 占いたいことを自分の第三の目をとおして筮竹に伝えます。

4.一瞬息を止め筮竹を二つに割ります
割る!

そして、一瞬息を止めた後、筮竹を二つに割ります。

5.右手に残った筮竹を筮筒に入れる 。
右手の筮竹を筮筒に入れます

左手はそのままにして、右手に残った筮竹を筮筒に収めます。

このとき、左手は天をあらわし、右手は地をあらわします。

6.筮筒に入れた筮竹から一本取り出し、左手の小指と薬指の間にはさみます
一本とって小指と薬指に挟む

筮筒から筮竹を一本取りだして、

左手の小指と薬指の間に挟みます。

右手にあった筮竹は地の領域をあらわしますが、そこから一本取り出した筮竹は人間をあらわします。そして、その人間を天の領域をあらわす左手の筮竹に加えます。

このような動作をするのは、易の思想の中にある「天地人=三才」の考えがもとになっています。三才とは天(宇宙)と大地(地球)の間に生きるのが人間であり、人間の人生である…という思想です。

7.残った筮竹の本数を数える 。
二本ずつ数える「春夏秋冬。春夏秋冬…」

加えた一本の筮竹も含めて、左手の筮竹を数えます。

残った本数から易の八卦を出します。

数え方:筮竹を二本ずつ取りそれぞれ「春 」「 夏 」「 秋 」「冬」 と数えます。

このように数えて、残った本数によって八卦を導き出します。

残りが1本:天・乾
残りが2本:沢・兌
残りが3本:火・離
残りが4本:雷・震
残りが5本:風・巽
残りが 6本:水・坎
残りが 7本:山・艮
残りが 8本:地・坤

2本ずつとって春夏秋冬と数えれば、8で割ることになるので、残る筮竹の数は必ず1~8のうちどれかになります。

8.八卦の形を算木に記録します。
算木に内卦を出します「残りが4本なので雷…っと…」

算木のない方は、紙に記録してください。

これで内卦が出ました。

9.続いて外卦を占います

外卦の出し方は内卦と同じです。

10.動爻を出します

動爻を出すには、まず内卦の出し方の1~6までの手順を行います。

太極をとり、半分に割り、右手の筮竹を筮筒に戻し、一本取り出し、左手の薬指と小指のあいだに挟みます。

ここまでは、内卦の出し方と同じです。

動爻を出すときは数え方が違います。

筮竹を数える時、筮竹を2本ずつとり、「天」「地」「人」と数えます。

2本ずつとって、「天地人、天地人、天地人…」

そして残った本数が「動爻」となります。

天地人と2本ずつ数えると、6で割ることになるので、必ず数は1~6のどれかになります。

動爻のでた爻の算木を少しずらしておきます。

これで易の形が完成しました。

この画像(動画)の例では、風雷益の2爻が出ました。

このようにして易を出したのち、易の形と動爻から、今の運気を読んでいきます。

05:34 筮竹を使った略筮法での易の立て方

略筮法(サイコロ)で占う前に…

サイコロを使った占い方は簡単です。 筮竹を使った占い方と同様、

①内卦
②外卦
③動爻

を出します。

サイコロ占いの場合は、これら、内卦・外卦・動爻をすべて、一回サイコロをころがすだけで一度で占えます。時間がない時などの占いに向いています。

用意するもの

サイコロで占う前に、道具をそろえる必要があります。必要なものは、サイコロと算木です。

サイコロ

サイコロで易を占う場合は、八面体のサイコロが二つ六面体のサイコロが一つ、合計三個のサイコロが必要です。

八面体のサイコロは色違いのものを2個用意し、どちらかを内卦、どちらかを外卦を占うために使います。

六面体のサイコロは動爻を出すために使います。

サイコロはAmazonなどでも入手可能です。

算木

出たサイコロの目を忘れないように記録するためや、動爻の変化を知るために算木があると便利です。ない場合は、紙に手書きでもOKです。

? 必要な道具がそろったら、占いをはじめましょう?

占い方(サイコロを使った略筮法)

ここからは、サイコロを使った易の立てかたの解説です。

1.八面体サイコロのどちらが内卦でどちらが外卦か決めます。

通常は赤いサイコロ黒いサイコロがあります。どちらを内卦として読み、どちらを外卦として読むか、あらかじめ決めておきます。

今回は、赤が外卦黒が内卦、として占うことにします。

2.サイコロを転がします。

占いたいことをイメージしながらサイコロを振ります。

コロコロ・・・
こんなん出ましたけど…
3.算木に記録します。
風雷益2爻
※向こう側に座っている占い師から見ての配置になるため、上下が逆になります。

このサイコロの場合は、内卦(黒)外卦(赤)動爻(六面サイコロ)なので、風雷益2爻になります。

内卦が雷、外卦が風、動爻が二 =風雷益2爻
4.易の形から運勢を占います。

算木に記録した易の形を使って、運勢を解釈します。

19:55 サイコロを使った略筮法での易の立て方

易の占い方にはいろいろあります

易の占い方には、 本筮法・中筮法・略筮法の三種類の方法があります。占う道具も、筮竹サイコロコインなどがあります。

占う目的や事情によって、その時にあった占い方をすると良いかと思います。

第二回の、ここまでの解説で、とりあえず易の形は出せるようになったと思います。

しかし、易占いをするには、さらにここから、占的(占いたいことや質問)に応じた解釈をしていかなければいけません。

解釈法などについては、次回以降、じっくりと解説していく予定です。

次回は、陰陽について先生に教えていただきます。

次回もお楽しみに♪

波木流占い講座:易の基本(第一回~第七回)

波木流占い講座:第一回「易って何?」

第1回から第7回まで続けて視聴することで易の基本が学べます。

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